フィアについて-EpisodeOfVier-

フィアについての紹介

このカテゴリではなりグルでの「フィア」についてのお話を書いていきます。
設定とか、超短編のお話とかそう言うの。

フィア設定

フィア=トラン=エーミリア(Vier=Turns=Emilla)
 赤子の頃、実母であるクラリスからその妹であるエリー=シータ(Ely=Seeta)に預けられ、実父、実母の顔を見ることなく叔母・エリーによって女手一つで育てられる。12の頃に魔術の才を見出され、その魔術を人のために使う事を決める。この時依然として、実母であるクラリス、実父であるグランは共に行方不明となっていた。その為フィアは、両親にいつか逢えるのだろうかと日々焦がれていたのだった。

 しかし14の頃、エリーは自身が経営する薬屋で使う為の薬草を採りに行った帰り、フィアの目の前で大型の魔物に襲われ瀕死の重傷を負ってしまう。フィアは自ら修めた魔術を用い果敢に挑むも歯が立たず、逆にフィア自身も重傷を負う。その後、間一髪のところを村の傭兵によって救出されたものの、自分の怪我も、叔母の怪我すらも、未熟な魔術では癒すことができず、命の危機に瀕していたエリーは他界してしまう。両親も行方不明のまま、育ての親までも失ってしまい、フィアは自らの無力を感じ、絶望の中に塞ぎこんでしまう。だが、ある出来事をきっかけに立ち直り、聖導士としての道を歩むこととなる。

 そして18歳。強迫観念に突き動かされ僅かな期間で熟練した聖導士となった彼女は多くの命を救ってきた。今の彼女なら、あの場で叔母を助けることもできただろう。しかし時間はもう戻らない。失ったものは帰ってはこない。それが分かっていて、どうしようもない事柄だからこそ、彼女は今も後悔に苛まれ、あらゆるイフを考える。それが無駄だと理解していても。


――そして彼女は今も強迫観念に突き動かされ行動する、自分と同じ境遇の人を作らない為に、守らなければならない、失ってはならないと。せめて目の届くところではそんな悲劇を観ない為に。

彼女の行動は、正義感でも慈悲でもない。
彼女自身が、失う事を恐れているだけなのだから。